アレクサンダーテクニーク / 海津賢 (かいづけん / Ken Kaizu)

アレクサンダーテクニークや音楽や、いろいろなことを書いていきます。

羽生結弦さん、からだの使い方@まとめ

先だって、テレビでフィギュアスケートを見ながら、家族に感想を話しました。家族は「ふーん」と興味なさそうでした。がっかりした私は、家族に話した感想をツイッターに投稿しました。驚いたことに投稿は大きな反響を呼びました。今日(12月13日)現在で8万回を超える閲覧と、600以上のいいねをいただきました。投稿をいま読み返しても自分的に面白いことを言っていたと思うので、加筆訂正してまとめました。

 

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まとめ。
 
音を消したテレビでフィギュアを観ていると、ごく稀に音楽を感じさせる動き、要するにリズムのある動きをするスケーターがいて感動することがあります。例えば、羽生さん。
 
音楽は大抵(ダンスや演技などの)動きの邪魔をするか、動きのないものを補正か誤魔化す道具になることが多いです。
 
リズムのある動きをするスケーターかどうかは、踊りだす前、立っているところだけを見ても分かります。たとえばサフチェンコさん。立つことに必要な筋肉を、必要な力しか使っていません。立つ時に自分の身体をそのように使っているから、滑り出しても使い方は変わりません。
 
羽生さんはアレクサンダーテクニークでいうところの、首に過緊張があまりない「首が自由であることを許した(Let the neck be free)」状態でいます。すると頭ー首ー背中(背骨)が動こうとするのを阻害することが少なくなり、無理やり筋肉だけで動くのではなく、必要な動きが自然と起こるようになります。勿論膨大な訓練の賜物でもあります。
 
「首が自由であることを許した」状態でいると、頭ー首ー背中(背骨)が動こうとするのを阻害することが少なくなるって、分かりにくいですよね。たとえば蛇のオモチャをイメージしてください。関節が固まってなければ、頭から動くと、その後が全部動きます。羽生さんが蛇だと言っているわけではありませんが😅

 

蛇のおもちゃってこういうやつです。

(蛇のアイディアは、アレクサンダーテクニーク教師仲間の大塚由美先生からいただきました)

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http://www.event-goods.jp/handmaid/eh-137.htmlより写真を転載。

 

アレクサンダーテクニークについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。http://www.thesounder.net/saito/arekusandatekuniku.html

 

まとめを少し補足。音を消して映像を見るのは、もう10年以上やっている自分の趣味です。私は映像のための音楽を作曲する仕事を多くやっています。なので映像を見ながら作曲をする機会が多いです。作曲をするまえの映像には当然のことながら音楽がついていません。音楽のない映像は、例えばダンスや演技、カット割りがよく見えます。音楽というのは良くも悪くも、聴く人がどう感じるかを方向づけることができます。演説中に太鼓が叩かれれば、演説の内容が残念でも気分は高揚します。悲しさを伝える演技が残念なシーンに悲しさを感じる音楽がかかると悲しくなります。音楽のちからにはすさまじいものがあります。音楽がないにもかかわらず動きを感じさせる映像と出会うと、とても純粋なものに触れた気がして感動します。いつからか私は、普段でも音を消してみる鑑賞法を好むようになりました。

 

カール、ルイス氏


ミハエル・バリニコフ氏は音を消して見ても、躍動感のある動きを感じさせます。



こちらはフレッド・アステア氏