アレクサンダーテクニーク / 海津賢 (かいづけん / Ken Kaizu)

アレクサンダーテクニークや音楽や、いろいろなことを書いていきます。

分かりやすさ

ロシア上空の景色は飽きない。

2ヶ月の勉強を終えて帰国した。

自分の学びたい事と、学びたい姿勢はマーシャルアーツ(武道)と似ているんだなと再認識。イスラエルで教わった先生が学生のころ、学校でみんなで読んでいた唯一の本がヘリゲル著「弓と禅」だったと聞く。再読のため新訳(魚住孝至訳)をkindleで購入。旧訳との大きな違いは、弓道の歴史的背景の説明などなど。


弓道というのはご存知の方もいると思うが、「的を射ろうとしない」精神を、心身を使った体験を通して修めていく。
新訳で分かったことは、大正時代に「いやいや、的に当ててなんぼでしょう」という人々が登場し、あっという間に弓道会の会長にまでなったこと。
いつの時代も起こることは変わらない。How to(やり方)、変わる事を謳うもの(ああ耳がいたい)、分かりやすく改変されたもの、派手なもの(ドラマチックなもの)は好まれやすい。もちろん、好まない人もいる。
最近は「目で見て覚えろは非合理的だ、はじめから教えてくれた方が早い」という論調を目にすることがある。ヘリゲルも呼吸について師匠がすぐに教えてくれなかったことへ疑問を抱いた。同僚の小町田氏はこう答える。


「もし師が呼吸の訓練から稽古を始めたならば 、あなたは決定的なことを得たのが呼吸法のお蔭であることを納得できなかったでしょう 。あなたは 、最初にあなた自身の試みによって難破しなければならなかったのです 。師があなたに投げる救命浮輪を摑む準備が出来る前に 」


じゃあ自分は何ができるんだろう?と考えると、練習だ、作曲だ、レッスンだ、実生活だと分けずに、等しく向き合い続けることなんだなあと思った。その先に何があるか、50年以上教えながら実践し続けている先生の背中が、見せてくださった。私は気長に楽しめるといいな。